頭に浮かんだ よしなしごと。


by hanarobo

知命


他のひとがやってきて
この小包の紐 どうしたら
ほどけるかしらと言う




他のひとがやってきては
こんがらがった糸の束
なんとかしてよ と言う




鋏で切れいと進言するが
肯じない
仕方なく手伝う もそもそと




生きてるよしみに
こういうのが生きてるってことの
おおよそか それにしてもあんまりな




まきこまれ
ふりまわされ
くたびれはてて




ある日 卒然と悟らされる
もしかしたら たぶんそう
沢山のやさしい手が添えられたのだ




一人で処理してきたと思っている
わたくしの幾つかの結節点にも
今日までそれと気づかせぬほどのさりげなさで








茨木のり子
詩集 『自分の感受性くらい』
より
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by hanarobo | 2008-09-10 23:19 | メディア